2017年6月25日日曜日

ラファエル・マルケス(Rafael Marquez)

私の独断と偏見に基づいて、100年後も各階級の歴史にに残る名選手を紹介していきます。1997年からボクシング観戦をしておりますので選手は偏りがちですが、ご意見等よろしくお願いします。

ラファエル・マルケス(Rafael Marquez)

戦績:41勝9敗37KO
体格:166cm バンタム級 リーチ:173cm


メキシコから来たボクシング兄弟・マルケス兄弟の弟ラファエルの紹介です。ボクサーというのは攻撃的でディフェンスに少し難がありなグラスジョーな選手が人気が出ますね。まさにこのラファエルはガラスのような選手です。攻撃に転じている時は、リーチを生かして遠くから多彩なパンチで相手の急所をまさに射貫きますが、その反面パンチをよくもらい効かされます。やっぱり見ていてハラハラするボクサーに私は惹かれます。強すぎて安全運転なチャンピオンは、やはりプロボクサーですからお客さんを楽しませてよとそんな気分になる最近のボクシング。
マルケスのスタイルは攻撃的なボクサーです。前に出ることによってどんどん攻撃が乗っていきます。ただ一進一退もしくは下がりながらのボクシングになると結構いいパンチを
食って倒れますね(9敗の内7KO負け)。しかし前に出ている時は少々パンチを食らっても平気な顔で打っていく印象です。同じトレーナのもと兄弟で全然違ったスタイルのボクシングをしますね。

倒してきた相手は、マーク・ジョンソン、ティム・オースチン、マウリシオ・パストラナ、イスラエル・バスケス。

マーク・ジョンソン 1戦目2戦目
サウスポーのマーク・ジョンソンとの連戦です。第1戦目でジョンソンのダイレクトの左や距離を潰してのクリンチにマルケスは苦しみました。マルケスはジョンソンの左の打ち終わりに右のカウンターを打ち込みたくて、スウェーのみでディフェンスをしていました。持ち味の強烈なワンツーを当てられず、辛勝。それがあってか翌年にダイレクトリマッチが組まれました。1ラウンド早々前回のマルケスと違い、足を使って位置取りを大切にしていたような印象があります。しかし打ち気に入ると足が止まってましたね。しかし、そんな所が好きなんです。

ティム・オースチン戦
マルケスの歴戦の中で一番好きな試合です。相手はオースチン(当時26戦無敗)のIBFバンタム級のチャンピオンです。長い手足にパンチがあり距離もうまく取ります。初タイトル戦のマルケスにとっては、あまりにも強い相手です。8ラウンドでマルケスが仕留めて勝ちますが、7ラウンドまではオースチンがマルケスの強打の大振りの合間合間を縫って返しのフックやアッパーをうまく当てていたので、マルケスが負けると思っていました。マルケスがストレートでオースチンを吹っ飛ばした所はしびれました

イスラエル・バスケス 1戦目2戦目3戦目4戦目
マルケスがスーパーバンタム級に階級を上げて、同じメキシカンのバスケスとのビックマッチです。4戦も戦ったのだから、いかに試合が面白かったか。ボクシングは面白い組み合わせでも3戦たたかい決着がつくのですが、この2人の試合は早く続きが見たいと思いました。試合は4戦ともほぼ同じ内容です。インファイトが得意なバスケスに対して、マルケスは距離を取ろうとせず、下がりながらですが打ち合いに臨みます。結果はお互い2勝2敗のイーブンですけど、試合後のバスケスの顔を見るともうやるべきではないですね。しかし、マルケスも試合中フックがボンボン入り危なかったですが、それでも打っていく気持ちの強さと、打たれ強さ(表現が間違っていると思いますが)を魅せてくれました。

その後、西岡選手と米国で戦ったりしています。しかしバスケス戦以降燃え尽きた感がいなめません。マルケス兄弟の弟として兄とはまた違ったスタイルで、軽量級の台風の目であったことはまちがいないですね。






2017年6月4日日曜日

ディエゴ・コラレス(Diego corrales)

私の独断と偏見に基づいて、100年後も各階級の歴史に残る名選手を紹介していきます。
1997年からボクシング観戦をしてますので選手は偏りがちです😉
ご意見等よろしくお願いします。

ディエゴ・コラレス(Diego corrales)

戦績:40勝5敗33KO
体格:180㎝ ライト級


90年代後半から2000年代前半にかけて活躍したボクサーです。コラレスはスーパーフェザー級からウエルター級までの3階級で活躍したボクサーですが。今回ライト級の名選手として取り上げた理由は、ホセ・ルイス・カスティージョとの2連戦を行ったのがライト級であったためです。もともとはスーパーフェザー級4人衆(メイウェザー、コラレス、フレイタス、カサマヨル)の一人でした。もちろんスーパーフェザー級時代は長身からの左フックでKOを量産し4人衆の中ではフレイタスと張り合える選手でした。しかし、コラレスが最もスポットライトを浴びたのはライト級でカスティージョとの第1線の逆転劇、この試合は年間最高試合に選ばれました。スーパーフェザー級4人衆の潰しあいでメイウェザーにパーフェクトゲームの末KO負けを喫したコラレスは、ゾンビのようにメイウェザーとの再戦を望み階級を上げました。スタイルはガードは割と甘く相手のパンチをよくもらうが、相打ち気味の強打、長身からの左フック、ゾンビのような勝ちに拘る気持ちです。勝負所で一気に勝ちを引き寄せる力がこの選手の持ち味。良くも悪くも試合を見ていてハラハラします。

倒してきた選手は、ロベルト・ガルシア、デリック・ゲイナー、エンジェル・マンフレディー、ホエル・カサマヨル、アセリノ・フレイタス、ホセ・ルイス・カスティージョ。

IBFスーパーフェザーのタイトルをかけて、無敗同士の一戦。この試合は身長差がありますが、ガルシアの上手い左右の打ち分けとコンビネーションでコラレスの強打に打ち勝てるかという一線でした。試合序盤両者中間距離から詰めてフックの打ち合いになりますが、コラレスがガルシアのパンチの終わりに左を合わせ、ガルシアがなかなかボディーにパンチを打てません。身長差がもろに出た試合だと思います。どうしてもガルシアは上体を起こさざるをえなくコラレスの右と左フックで徐々にダメージがたまっていきます。コラレスもガルシアの危ない左を食いましたが、そこは負けん気の強さで決して引き下がろうとしません。試合は我慢比べが続きますが6ラウンドにガルシアがダウンを喫するとそこからコラレスがペースアップし7ラウンドに打ち下ろしのワンツーでガルシアの息の根を刈りました。

スーパーフェザー級最強を決める戦い、フロイド・メイウェザーに敗れたコラレスとアセリノ・フレイタスに敗れたカサマヨルの対決です。メイウェザーとフレイタスやって欲しかった...
正直コラレスとカサマヨル、試合はかみ合わないかなと思っていませんでしたが、蓋を開けてみると両者負けん気の強さがかみ合って非常に面白い試合になりました。試合前はカサマヨル有利かなと思っており、コラレスのフックに対しサウスポーのカサマヨルが左を当ててポイントアウトとなるはずでした。カサマヨルは金メダルのアウトボクサーですから。3ラウンドに予想通りコラレスのパンチに合わせカサマヨルが左を合わせコラレスは吹っ飛びます。しかしダウン直後にも関わらずコラレスは力いっぱい左フックを振っていきました。ここがこの選手の魅力であると思います。続く4ラウンドにもコラレスダウン、終わりかなと思いましたが、ここからコラレスは左の鋭いフックをカウンターで入れカサマヨルをダウンさせカサマヨルはキャリア史上の窮地に追い込まれました。4ラウンドカサマヨルを追い詰めるコラレスの顎はがら空きです、ファンとしては非常にハラハラしました。試合は6ラウンド終了時コラレスの負傷TKO負けでした。give me one more timeとインターバルにコラレスはドクターに言っていたのが印象的でした。もうちょっとで勝てたのに....。その後ダイレクトリマッチでコラレスは12ラウンド判定勝ちを収めました。

にしてもコラレスは迷彩柄がよく似合いますね💪

カスティージョとの第1戦目になります。ライト級に転向後、コラレスはフレイタスをKOし王座獲得。そしてWBC王者のカスティージョとの統一線です。この試合はボクシング史上最高の試合だと思います。一歩も引かない打ち合い、ダウンからの大逆転でTKO、正においしいとこ尽くめでした。カスティージョは手数が多いファイターに近いボクサー、試合開始から両者頭をつけての接近戦の打ち合いになりました。戦前はコラレスのパンチ力をとってコラレス有利とエキサイトマッチの浜田さんはおっしゃられていました。しかし試合はバランスのいいカスティージョがコラレスより多くパンチをだしカスティージョが徐々に押しますが、コラレスも左フックを効かせて試合はシーソーゲームでした。
10ラウンドカスティージョの綺麗な左がカウンター気味に入りコラレスダウン。両者ここまで削りあいをしてきましたから、コラレスこのラウンドで終わると思いました。体力はなく立て続けに2回目のダウン、後の問題にもなりますが、コラレスはダウン時マウスピースをわざと吐き試合を遅らせました。賛否両論ありますが、コラレスファンとしてはここがこの選手の勝ちに拘る魅力です。


この後コラレスは捨て身の右と左フックでカスティージョをロープに失神させTKO。まさにボクシングの勝負の醍醐味を見せてくれた試合だと思います。上の動画に10ラウンドがあるので見てください。


その後体重オーバーで制裁を欠いたコラレスは、ウエルター級に転向し、クロッティ戦を最後にリングには上がりませんでした。2007年の5月にバイクの事故で亡くなられましたが、ボクシングファンの記憶にはスリリングな勝負師として語り継がれていくでしょう。





コンスタンチン・チュー(Kostya tszyu)

私の独断と偏見に基づいて、100年後も各階級の歴史に残る名選手を紹介していきます。
1997年からボクシング観戦をしておりますので選手は偏りがちです😊
ご意見等よろしくお願いします。


コンスタンチン・チュー(Kostya tszyu)

戦績:31勝2敗25KO
体格:170cm スーパーライト級


90年代から2000年初頭にかけてスーパーライト級に君臨したチャンピオン、何故この選手を選んだかというと、97年にヴィンス・フィリップスにTKOで敗れています。しかし一度王者から陥落してから再起をし、3団体の統一チャンピオンに返り咲きました。
スタイルは左を高めに構え、ジャブとワンツーで試合を組み立てていきます。アマチュアからの実績もあり、どっしり構えてプレッシャーをかけ、捨てパンチは無く手数を少なくてヒット率は高いボクシングです。この選手の強みは、相手のパンチはカットし距離を読むのが抜群に上手く、尚且つ自分の右ストレートには自信を持っていることです。

倒してきた選手は、ジェイク・ロドリゲス、東京サンタ、フリオ・セサール・チャベス、オクタイ・ウルカル、ザブ・ジュダー、ジェシー・ジェームズ・レイハ、シャンバ・ミッチェル。

東京サンタ戦
ゴンザレスは開始から近距離で戦いたく体を詰めていきます。チューの左に右を合わせ、右に対しては体を振って距離を詰めますが、2ラウンドからチューも若干距離を取りゴンザレスのカウンターにカウンターを合わせ距離を詰めさせません。左左左で抜群のタイミングで右を合わせました。見切りの速さと距離感と当て感で4ラウンド以降はチューの独壇場になっていました。しかしリッキー・ハットンほどの徹底した近距離にチューは弱いように思います。善戦及ばず10ラウンドにスットプでチューが勝ちました。ゴンザレス勝ってほしかったのを小学生ながら応援してました。

ザブ・ジュダー戦
2団体統一王者のチューが、当時IBF王者で無敗のザブ・ジュダーと対戦します。ジュダーは当時6度目の防衛戦、タイトルマッチは5/6でKO勝ちの勢いに乗っている選手です。私もジュダーの異様な速さの前にチューのガードのど真ん中にストレートを撃ち込まれて負けると思っており、チューが勝つなら近距離の中で彼の強打がヒットし試合後半のKOしかないと思っておりましたが、結果は全然違いました。1ラウンドにジュダーの飛び込んでのカミソリアッパーと逆ワンツーがヒットして、やっぱり前半にKOかなと思いましたが、それから徐々にジュダーを追い詰め2ラウンドにドンピシャの打ち下ろしの右がヒットしてちゅーのKO勝ちでした。スピードでジュダーにいかれるかと思いましたが、チューのプレッシャーの前にジュダーが後手後手に回りました。よっぽどチューのパンチの軌道と強さがジュダーにとってディフェンスを意識せざるを得ないものだったと思います。この試合でチューがスーパーライト級最強となりました。

ジェシー・ジェームズ・レイハ戦
最もチューの強さを実感できた試合だと思います。この試合を見て思ったのは、中間距離ではチューに勝てない、強打の右と左ジャブでレイハはパンチを当てられなく、なんとかパンチをかわして打ってもスウェーで逃げられる。6ラウンド終了時にチューのTKO勝ちでしたが、あれだけリングの中央にどっしり構えられていたので、私はレイハの心が折れたのだと思います。

以後2005年に新進気鋭のリッキー・ハットンにゴチャゴチャの泥仕合を仕掛けられ11ラウンドに棄権でTKO負けし、ボクシングから引退しました。チューのワンツー主体の完璧なボクシングは、メイウェザーやリオス、ブラットリーと戦ったらどうなるのかと思います。おそらく右のまっすぐの強打は現在の選手と戦っても確実に顎をとらえ倒すことでしょう。これだけ横綱相撲をするボクサーはこれから先もパウンドフォーパウンドであり続けると思います。しかし強すぎる強打も自身を壊しては考え物ですね。